Saitama / 2006
新社屋の敷地は間口約18m奥行約27mの長方形で、南側で接道しています。建物はできるだけ北側に寄せて配置し、南側に材料・製品の搬出入スペースや駐車スペースを広く取るよう計画しています。
新社屋は3階建てで、1,2階を作業場、3階を事務スペースとし、1~3階を繋ぐ主要動線となる屋外階段を南側に設けます。階段はシンプルな箱状の建物から南側に張り出し、道路側からよく目立つ形となるため、日常の使用で支障ないよう屋根・雨よけなどを考慮し、かつ、初めての訪問者、3階に用事のある来訪者にとっても分かりやすく入りやすいデザインを心掛けます。
作業場部分は、1階は曲面ミラー加工、カットロボのような重量機械による加工作業のスペース、2階はFFミラー加工および将来対応のための予備スペースと男女ロッカー室からなります。1,2階間には小荷物用昇降機と内部階段をつくり、作業性や材料・製品の運搬効率に配慮しています。3階は北側に事務室や会議室など必要諸室をコンパクトにまとめ、南側を食事・休憩・ミーティングなど、多目的に使える「ホール」として計画しています。
構造的には、XY両方向共に柱と柱の間にブレース(筋交い)を入れず、単純な柱・梁の構造で十分な強度を持たせるよう検討しています。柱間にブレースを入れないことで、その部分に開口部や収納棚などを自由に作りやすくなり、またその結果として、作業場や事務室が少しでも広く使いやすいものとなるよう、計画しています。また東西の間口方向には約10mのスパンを飛ばし、メインの作業スペースや事務室部分に柱を落とさず、将来のレイアウト変更にも対応しやすい構造となっています。
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